本を読もう-2

2019.2.12


菅野仁(かんのひとし)さん。社会学者。
これまで存じあげませんでしたが、この2冊はとてもよかったのでおすすめします。
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愛の本 他者との<つながり>を持て余すあなたへ - 菅野仁

タイトルに「愛」とあったことと、「つながりを持て余す」とあったので心惹かれて図書館で借りましたが、良い意味で期待とは違った内容でした。
「幸福ってなんだろう」という大きなテーマについて、非常にわかりやすく書かれている本。
社会や他者(著者はあえて他人とは言わず他者と表記しています)との繋がりについて考えることが、すなわり幸福をデザインすることだと。

うーん、完結に内容をまとめることができないけれど、以下にメモを。

・自分のことについてちゃんと深く考えるためには、他者とのつながりや社会とは何かということについて思いをめぐらすことが大切。

・人間の幸福とは、自己充実をもたらす活動。他者との交流。
このふたつのバランスが生のあじわい(嬉しい、楽しい、心地よい、生きててよかった)を深める要因。

・「現実(自分に課せられている制限)」と「憧れ」を共に手放さない心を持ちながら「自分にとってのほんとう」を探すこと。

・「こうありたいわたし」と「いまのわたし」のバランスを保ちつつ、身近な他者の承認を得ていく。それを積み重ね、自分を表現することへの恐れを克服する。 それが幸福をデザインしていくことに繋がる。

・ほんとうに好きなことをみつけて、ちょっと努力して身につけた身体的技術を通して自分を支える基底を作る。
そして社会や他者へとつながるルートを自分で見つける。

・幸せは意志がなければつかめない=それが幸福をデザインするということ。

私は自分の音楽活動を通して自己表現を試みているけれど、これは誰にも聞いてもらえない活動だったらやっぱりさみしいしほとんど意味がない。
自分のほんとうにやりたいこと=私の場合は「音楽活動」であり、それを「他人に承認してもらう」ことで幸せな気持ちになれる。
落ち込むことも傷つくこともあるけれど、自分と他人は同一ではない、ということをしっかり認識して「耐性」も備えていけば、一歩一歩前に進めるはず。
本に書かれていることと、長年考えていたことにあまり差がなかったので背中を押されたような気分。
まるごと自分を受け入れてもらおうとか、純度100%で相手に認めてもらおうとかはありえない。そのことをちゃんと頭におきながらも、自分の好きな道を進めていく。

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18分集中法 時間の「質」を高める- 菅野仁

集中力についてずっと長年悩んでいる。
とにかく勉強や作業に集中できない。なかなか取り組めない。やらなければいけないことがどんどん溜まる。本が読みたいくせに読めない。買った本、借りた本がどんどん溜まる。何かをやり始めるとすぐに眠くなる。コーヒーが飲みたくなる。お菓子が食べたくなる。
掃除を始めたり、洗濯を干したり。料理を始めたり。意味不明の現実逃避。
今日やろうと決めたことが何も手をつけれないで一日が終わることが多々あるので割といつも落ち込んでいる。

この本は集中力と時間管理の本。
18分をタイマーでセットし、とにかく18分間何かにとりかかってみる。18分のあとは休憩をとる。どのくらい休憩をとるかは自由に決める。
そしてまた次の18分をタイマーセットしスタート。それを繰り返す。
実際やってみた。これ、すごくいい。
時間を一日という大きな単位で考えるのではなくて短く小さな単位で取り扱うことがこんなにもいい方法とは。
ここ数日とても気分がいい。タスクがどんどん消化している。素晴らしい。
一日がんばろうと思うと気が重いけれど、まずは18分だけやってみよう、というのはハードルが低い。集中できる。がんばりがきく。あまり無理がない。

学生時代にこの本と出会いたかった。


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