2012.10.4の日記

2012.10.28

以前のホームページより抜粋しています(Thu.10.04.2012の日記より)
夕暮れの時間

病院の廊下の窓から見える東京タワーをながめている
おねえちゃんを見つけたとき

姉がどんな気持ちでいるか
わたしにはわかった気がしました

ただじーっと ながめている
おねえちゃんの背中に
なんと声をかけてよいか 
わたしは一瞬とまどってしまったけれど

すぐに
「ここにいたんだ、今日もきれいだね、東京タワー」
って明るい声を出して話しかけて
おねえちゃんも、いつもの感じで
「そうだね、きれいだね」って
こたえてくれて

病気が再発したと告知されたその日の前日は
もうこの世の終わりのようでした

病気になって
たくさんの苦しいことにもいつも前向きにがんばってきたおねえちゃんが
初めて弱音を言いました

絶えて絶えて絶えてきたのに
また再発ですか・・・

突きつけられた現実が本当の絶望にならないように
わたしはいろんなコトバでお姉ちゃんに話しをしました
どんなコトバを選べば
おねえちゃんが前を向いてくれるか
困惑しながらも必死で話しかけました
おねえちゃんに伝わるように

でも本当はこれからどうしていけばいいのかわからなくて
何もこたえがみつからないままその晩病院を出ました

翌日
おねえちゃんはとても落ち着いているふうに見えました

窓からの外の景色や東京タワーを
あの日、おねえちゃんがどんな気持ちでみつめていたか
わたしは今でもずっとずっと考えています

あの日のおねえちゃんが変わらず私のなかにいます

きょうは10月4日でした
大事な日でした


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